投資型クラウドファンディング事業者を比較してみた結果、5つの視座から見えてきた意外な真実とは。
目次
今回比較するクラウドファンディング事業者はこちら
わたしは現在、23社のクラウドファンディング事業者に、資金を分散投資しています。
今回は、そのうち、わたしが最も多くの資金を投資している、下記の4つのクラウドファンディング事業者について、比較をしていきたいと思います。
- クラウドクレジット
- OwnersBook
- SBIソーシャルレンディング
それでは、お付き合いのほど、よろしくお願い致します。
クラウドファンディング事業者を【利回り】で比較
本記事執筆本日現在、わたしが実際に投資をしているクラウドファンディングの利回り平均は、それぞれのクラウドファンディング事業者において、下記のような状況です。
※計算対象は、わたしが実際に投資をしているクラウドファンディングに限られます。
クラウドファンディング事業者名 | 平均利回り |
クラウドクレジット | 8.5パーセント |
SBIソーシャルレンディング | 4.9パーセント |
OwnersBook | 4.7パーセント |
このように比較をしてみると、少なくとも、ファンドの利回りに関しては、クラウドクレジットの強さが目立ちます。
クラウドファンディング事業者を【担保設定】で比較
今回、比較の対象となっている、3つのクラウドファンディング事業者を、それぞれの担保設定の内容で区分すると、概ね、下図のようになります。
※元データは、わたしが実際に投資をしているファンドに限られます。
クラウドファンディング事業者名 | 担保設定 |
OwnersBook | 基本的に、全ファンドに関して、不動産に対する抵当権設定を行う。 |
クラウドクレジット | (少なくとも、わたしがこれまで出資したファンドに限っては)無担保。 |
SBIソーシャルレンディング | (わたしが出資したファンドについては)不動産に関し担保権を設定。直接抵当権を設定する場合もあれば、最終債務者に対して借り手企業が有している、抵当権によって担保された貸付債権に、質権を設定、というスキームも有。 |
このように、担保設定の様式については、クラウドファンディング各社、様々な態勢を取っている中、OwnersBookの、「必ず不動産に対して抵当権を設定」という姿勢については、突出して映ります。
担保設定の様式でクラウドファンディング事業者を比較した場合、突出するのはこちら。
実際にわたしが投資をしているOwnersBookファンドの一覧がこちら。
引用元:OwnersBookのマイページから抜粋。
それぞれがどのような不動産に担保設定を行っているのか、具体的に見てみましょう。
※それぞれのファンドの「案件1」のほうの情報より抜粋。
- 渋谷区マンション第2号ファンド第5回
東京都渋谷区笹塚に所在する、2015年1月建築、地上7階建てのマンション1棟に、根抵当権を設定。 - 京都市中京区京町家用地第1号ファンド第1回
京都府京都市中京区に所在する、京町家用地(土地)に、抵当権を設定。 - 京都市下京区京町家再生第2号ファンド第1回
京都府京都市下京区に所在する、木造瓦葺2階建(リノベーション予定)1棟に、抵当権を設定。 - 杉並区新築マンション第2号ファンド第1回
東京都杉並区西荻南に位置する、2018年3月上旬に竣工予定の地上5階建の建物1棟に、根抵当権を設定。 - 港区マンション第2号ファンド第1回
東京都港区白金台に所在する、区分所有建物のうち、1戸に、抵当権を設定。 - 神奈川県葉山町マンション第1号ファンド第1回
神奈川県三浦郡葉山に所在する、区分所有建物のうち、1戸に、抵当権を設定。
このように、徹底して、何らかの不動産に対して、抵当権(ないしは、根抵当権)が設定されていることが分かります。
なぜ、ここまで徹底して、不動産に対する担保設定が行われているのか。
その秘密は、OwnersBookというクラウドファンディングサービスの運営会社である、ロードスターキャピタル株式会社にあります。
引用元:https://www.ownersbook.jp/about/index/
OwnersBookを運営しているロードスターキャピタル株式会社は、不動産の自己運用や、仲介、コンサルティング等を行っている、総合不動産事業者であり、かつ、東証マザーズの上場企業でもあります。
引用元:https://loadstarcapital.com/ja/company/history.html
各クラウドファンディングサービスの運営母体は、実に様々ですが、OwnersBookの場合は、その運営母体が、そもそも、不動産関連分野に非常に強い上場企業なのです。
不動産担保設定の詳しい内訳は様々。
一口に、”不動産に対して担保設定”と言っても、様々な手法があります。
OwnersBookの提供するファンドの、抵当権設定状況について、詳しく理解するためには、
- 抵当権と、根抵当権の違い。
- 第一順位抵当権(シニアローンの場合)と、第二順位抵当権(メザニンローンの場合)の違い。
などについて、最低限の把握をする必要があります。
この点については、わたしが実際に勉強をした内容を、下記の記事でまとめていますので、是非御覧下さい。
↓
担保設定の視点からクラウドファンディング事業者を比較した場合、こちらの事業者をお見逃しなく。
「無担保・無保証ファンドを提供せず、あくまでも、有担保ファンドにこだわって、ファンド提供をしているクラウドファンディング事業者は、どこか」
「特に、”不動産”への担保設定にこだわっているクラウドファンディング事業者は、どこか」
そのような視座から、クラウドファンディング事業者を比較した場合、OwnersBookの存在は見逃せないでしょう。
本ブログにおいて、同社のサービスについて調査等を行った記事や、わたしが実際にOwnersBookのファンドに投資申込を行った際の詳説記事などは、こちらからご確認下さい。
↓
OnwersBookに関する本ブログの記事一覧
とりあえず、口座だけでも開いておくか、という方はこちらの公式ページからどうぞ。
↓
OwnersBook(公式)
ちなみに、ownersbookのクラウドファンディング口座開設方法についても、一応、別記事にて紹介しています。
最初の口座開設でご不安な場合は、適宜ご参照下さい。
↓
クラウドファンディング事業者を【投資対象国】で比較
今回、比較対象となっている、3つのクラウドファンディング事業者について、その「投資対象国」で区分すると、下図のようになります。
※これまでの比較と同様、元データは、わたしが実際に投資をしているファンドに限られます。
※ファンドが貸し付けを行う対象の事業者(借入人)の事業進出先国含む。
クラウドファンディング事業者名 | 投資対象国 |
クラウドクレジット | ロシア、カザフスタン、ジョージア、スペイン、ポーランド、ブラジル、ポーランド、チェコ、デンマーク、メキシコ、ラトビア等、多数国。 |
OwnersBook | 日本国内。 |
SBIソーシャルレンディングサービス | 日本国内。 |
このようにしてみると、少なくとも、投資対象国の絶対数、という観点でクラウドファンディング各社を比較した際、クラウドクレジットのダイバーシティ(多様性)は、圧倒的です。
「国際分散投資」を地で行くクラウドファンディング事業者。
引用元:https://crowdcredit.jp/summary/
「日本」という枠組みを飛び出し、国際的な金融ステージに躍り出て行こう、という姿勢は、クラウドクレジットのホームページにおいても、しっかりと打ち出されており、そのこだわりは、わたしが実際に分散投資をしている23社のクラウドファンディング事業者の中でも、異色と言えます。
↑こちらは、わたしが保有をしているクラウドクレジットのファンド一覧です。
※クラウドクレジットのマイページ、「保有ファンド一覧」より抜粋。
その”多国籍ぶり”は、ファンド名を見るだけで、一目瞭然でしょう。
ファンド名に「為替ヘッジ」などという用語が出現するのも、(少なくとも私が知る限り)記事本日執筆現在のクラウドファンディング業界においては、クラウドクレジットくらいのものです。
金融”サムライ”を目指す。
クラウドクレジットといえば、テレビ東京「ガイアの夜明け」への出演が、クラウドファンディング業界の内外で、大きな話題を呼びました。
引用元:http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber4/preview_20180116.html
遠い異国へも足を伸ばし、まさに金融”サムライ”として活躍する同社の姿勢に、胸の高鳴りを覚えた視聴者も、少なくないでしょう。
世界に広がる提携会社ネットワークが、国際分散投資を可能とする。
引用元:https://crowdcredit.jp/summary/
遥か外国に、確かに存在する資金ニーズに対して、日本に居ながらにして、いかに対応していくか。
この問題に、クラウドクレジットは、各国に広がる提携会社とのネットワークを力とし、対応しています。
困難性に立ち向かっていくその姿に感銘を受けたのか、日本を代表する国際的商社も、同社の応援に乗り出しています。
引用元:https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2015/1503021.html
伊藤忠商事によるクラウドクレジットへの出資は、クラウドファンディング業界全体にとって、エポックメイキングな出来事でした。
「国際分散投資」をクラウドファンディングで実現するのなら、同社をお見逃しなく。
クラウドクレジットの、今後のますますの国際的活躍に、わたしも強く、期待しています。
わたしが実際にクラウドクレジットのファンドに対して投資申込を行った際の詳説など、同社に関する本ブログの記事一覧は、こちらからご確認下さい。
↓
クラウドクレジット関連記事の一覧
「クラウドクレジット、まずは口座だけでも開いておくかな」という方は、こちらの公式ホームページからどうぞ。
↓
クラウドクレジット(公式)
ちなみに、クラウドクレジットでの口座開設手続きは、ごくシンプルです。
それでも、「初めてでちょっと心配…」という方は、こちらで別記事をご用意しておきましたので、必要に応じて、御覧下さい。
クラウドファンディング事業者を【投資のしやすさ】で比較
そもそも、「投資のしやすさ」とは、どのように定義すればよいでしょう。
私は、自身のソーシャルレンデイング投資経験から、「投資のしやすさ」を測る指標として、下記の2点を重要視しています。
- 常設型ファンドの存在の有無。
→基本的に、各ソーシャルレンデイング事業者の提供するファンドの場合、それぞれのファンドの「資金募集開始時間」というのは、個別に定められています。
昨今、クラウドファンディング投資の人気が急速に高まっていますから、”投資家同士の競争”も激しさを増しています。
具体的には、特に人気ファンド・人気事業者の場合、各ファンドの「資金募集開始時間」にあわせて、投資準備を整えておかないと、あっという間に資金枠が埋まってしまい、「投資できなかった」という事態が発生し得ます。
この点、ソーシャルレンデイング事業者に、常時資金受付をする、【常設型ファンド】が用意されていれば、わたしたち個人投資家は、そのようなストレスから解放され、あくまでも、自分の好きな時に、好きなペースで、投資申込を行なえるようになります。 - 1ファンドあたりの最低投資額。
→各ファンドの最低投資額は、ソーシャルレンデイング事業者によって、個別に定められています。
例えば、手元に、たまたま、1万円、余裕資金があるとします。
そもそも予定すらしていなかった臨時収入で、使うあてもない。
まさに、投資資金には、うってつけです。
しかし、「投資したいな」と思えるファンドの、最低投資額が、例えば”3万円”等と定められている場合、手元の1万円だけでは、出資申込が出来ません。
これは、非常にもったいない、投資機会の逸失です。
その点、1ファンドあたりの最低投資額が低ければ(例えば、「最低1万円からでも投資可能」など)、そのような機会ロスを嘆く必要はありません。
いつでも好きな時に出資できる、「常設型ファンド」を擁しており、かつ、最低投資額が低く定められている(例:1万円から投資可能)、ソーシャルレンデイング事業者。
わたしは、そのようなソーシャルレンデイング事業者こそ、純粋に「投資しやすい」事業者である、と考えています。
その観点からソーシャルレンデイング事業者各社を比較すると、SBIソーシャルレンディングの存在は、見逃すことが出来ません。
常設型ファンドを提供中の事業者とは
下図は、「常設型ファンド」を擁しているか、否か、で、各ソーシャルレンデイング事業者を比較した物です。
クラウドファンディング事業者名 | 常設型ファンド有無 |
SBIソーシャルレンディング | 常設型ファンド【あり】 |
クラウドクレジット | なし |
OwnersBook | なし |
※あくまでも、本記事執筆本日現在、わたしが確認できた情報に基づいております。
こうしてみると、常設型ファンドの提供有無、で各事業者を横断比較した際、SBIソーシャルレンディングが際立った存在であることが分かります。
常設型である、なしに関わらず、純粋にファンドとしても魅力的。
SBIソーシャルレンディングといえば、その名の示す通り、日本を代表する金融サービサーである、SBIグループが提供している、クラウドファンディングサービスです。
わたしも、他の多くの事業者と比較し、多くの資金を投資させて頂いておりますが、中でも、わたしが気に入って投資しているのが、こちらの「不動産担保ローン事業者ファンド」です。
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引用元:https://www.sbi-sociallending.jp/
このファンドの資金募集期間を見てみると、
毎月2回:1日~15日午前12:00(正午)/16日~末日午前12:00(正午)
引用元:https://www.sbi-sociallending.jp/pages/clofund
↑
このように、完全な”常設型ファンド”であることが分かります。
さらに、同ファンドの場合、
「資金融資の際は、必ず、不動産に対して抵当権を設定し、かつ、融資の安全性の観点から、担保権を設定する不動産の評価額の7割までしか、貸し付けをしない」
という、極めてコンサーバティブな融資基準を持つ貸金事業者を借り手としており、その甲斐あってか、2012年9月の第1号ファンド以来、
- ファンド数にして、130件以上
- 出資累計額にして、150億円以上
という、超人気ファンドでありながらにして、延滞中案件・デフォルト案件、いずれも、ゼロ件という、驚異的な実績を誇ります。
1口1万円から投資可能。
同ファンドの場合、最低1万円から、小口投資が可能です。
- ファンドへの出資は、いつでも受付中。
- 最低1万円から、小口投資が可能。
ということで、まさにわたしが理想視する、「投資のしやすい事業者」としての条件を、万全に満たしているといえます。
「投資のしやすさ」でソーシャルレンデイング事業者を比較するならば、この事業者、見逃すことなかれ
本ブログのなかで、わたしがSBIソーシャルレンディングについて情報収集を行った際の記事や、わたしが実際に同社のファンドへと投資(追加投資を含む)を行った際の記録は、こちらのリンクから御覧下さい。
↓
SBIソーシャルレンディング関連記事一覧
「とりあえず、投資家登録だけでも済ませておくか」
という方は、こちらの公式ページからどうぞ。
↓
SBIソーシャルレンディング(公式)
なお、SBIソーシャルレンディングへの投資家登録方法につきましては、本ブログにて簡単にご紹介しています。
↓
適宜ご確認下さい。
クラウドファンディング事業者を【手数料】で比較
最後に、今回比較対象としているクラウドファンディング事業者を、念のため、手数料体系で比較してみましょう。
口座開設手数料で比較
本記事で比較対象としている3つのクラウドファンディング事業者の全てが、口座開設は無料で行う事ができます。
いずれの事業者においても、口座開設手数料は無料です。
口座管理手数料で比較
少なくとも本記事で取り上げたクラウドファンディング事業者に関しては、口座管理手数料(デポジット口座の管理手数料)を徴求されることはありません。
出資申込手数料で比較
いずれのクラウドファンディング事業者においても、出資申込に際して、申込手数料(投資信託で言うところの、買付手数料のような物)が発生することはありません。
運用手数料で比較
いずれのクラウドファンディング事業者においても、運用手数料(一般の投資ファンドで言うところの、信託報酬のような物)を支払う必要はありません。
※厳密には、クラウドファンディング事業者のフィーは存在しますが、これは、資金の借り手企業が負担しており、わたしたち個人投資家の利回りから控除されるものではありません。
このように、各クラウドファンディング事業者において、手数料の観点からは、大きな差異は存在しないことが分かります。
どのクラウドファンディング事業者から投資をスタートしたとしても、少なくとも「手数料をぼったくられる」等という事態はあり得ませんので、ご安心下さい。
まとめ。比較してみることで見えてくる、各クラウドファンディング事業者の魅力。
今回、わたしが実際に投資しているクラウドファンディング事業者を、複数の視座から、比較してみました。
このように、いくつかの基準で、並行的に各クラウドファンディング事業者を比較してみると、
- 各クラウドファンディング事業者の特徴。
- 各クラウドファンディング事業者が、それぞれ、競合他社に対し、どのように差別化を図ろうとしているか。
- 各クラウドファンディング事業者の強みを把握したうえで、わたしたち個人投資家としては、それぞれの理想や、リスク許容度に応じ、どのように投資判断を行うべきか。
といった点が、より明朗となります。
最後に、本記事に登場したクラウドファンディング事業者の公式ページリンクについて、まとめて再掲しておきます。
【利回り】でクラウドファンディング事業者を比較した際、優位性有。
↓
クラウドクレジット(公式)
【担保設定】でクラウドファンディング事業者を比較した場合、徹底した不動産担保設定が特徴的。
↓
OwnersBook(公式)
【投資対象国】でクラウドファンディング事業者を比較した場合、その多国籍ぶりは圧巻。
↓
クラウドクレジット(公式)
【投資のしやすさ】でソーシャルレンデイング事業者を比較した場合、常設型ファンドの存在&最低投資額の小ささが魅力。
↓
SBIソーシャルレンディング(公式)
本記事の内容が、少しでも、読者様の快適なクラウドファンディング投資スタートの一助となり得たのであれば、小ブログの管理人として、嬉しい限りです。
それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう!