SAMURAI(サムライ)にて、「目標利回り年率10%ファンド3号」のクラウドファンディングが公開されています。

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本クラウドファンディングの概要

同社のホームページから確認した、本ファンドの概要としては、下記の通りです。

本クラウドファンディングの詳細情報ページのURL

こちらです。

https://samurai-crowd.com/item/detail/83

本クラウドファンディングのスキーム図


引用元:https://samurai-crowd.com/item/detail/83

資金の借り手

B社が主要融資先となります。
本ファンドは、K社への貸付も行いますが、K社への貸付は、わずか1万円です。
主たる融資先であるB社については、所在地も、業種も、非公開、となっております。

貸付資金の総額

本ファンドによる貸付は、最大で、1,001万円(うち、B社に対する貸し付けが1,000万円)です。
ただし、複数号のファンドに分け、B社に対しては最大合計2億円、K社に対しては最大合計10万円の貸付が予定されている、とのこと。

借り手の資金使途

B社、K社、双方、「運転資金」との記載があります。

本クラウドファンディングの貸付・運用の期間

2.5ヵ月間の貸付・運用となります。

設定担保

B社への貸付においては、上場企業A社の普通株式、時価5億8,000万円分(平成30年10月4日終値ベースの概算額)に、担保権が設定される、とのこと。

返済原資

私が熟読した限りでは、特段の明記は見当たりませんでした。

わたしたち個人投資家の期待利回り

年率10パーセント、とのこと。

本クラウドファンディングのポイント

私が考える、本ファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、いずれも、私の個人的な見解です。

利回りそのものは高利。運用期間も短くてよい。

年率10パーセント、という利回りは、それだけをごく平易にみれば、高利と言えます。
3カ月に満たない運用期間も、時間リスクの低減、という観点から見れば、好感できるものでしょう。

ただし…

いくつか、引っ掛かる物を感じます(※あくまでも、私見です)。

いくらなんでも、B社がミステリアス過ぎる。


引用元:https://samurai-crowd.com/item/detail/83

所在地はおろか、業種すら、非公開。
業種が非公開である以上、資金使途が「運転資金」と言われても、どのような事業を「運転」するための資金なのか、皆目見当がつきません。
貸金業法に係る規制は理解しているつもりですが、いくら何でも、秘匿性が高すぎるだろう、と感じ、直接SAMURAI証券株式会社に問い合わせをしてみたのですが、
「インサイダー情報に該当するため(?)、一切、回答できない」とのこと。

この対応は、正直、いかがなものなのかな、と。

まず、前提条件として、他の一般的な投資型クラウドファンディング事業者が提供しているファンド情報においては、借り手企業の具体的な商号は当然、伏せられているものの、

  • 借り手企業の簡単な業歴や、
  • 所在地(※特定を防ぐため、都道府県程度の情報まで)、
  • 業種(※同じく特定を防ぐため、ごくおおざっぱな物)

といった情報については、公開されているケースが一般的です。
これらの情報は、私たち個人投資家が、自ら責任をもって、限られた情報源から、可能な限りの最善の投資判断を行うためには、必携の情報です。
以上が、前提条件。

そして今回、貸金業者による規制について十全に理解している私たち個人投資家としては、別に、SAMURAI証券株式会社に対し、B社(及びA社)の具体的な商号を教えてくれ、と言っているわけでは、ありません。
あくまでも、だいたいの所在地と、ごく簡易な物で構わないから、実業のイメージがわくような業種情報を教えてくれないか、と尋ねてみたのみ、です。

そもそも、上記情報は、「インサイダー情報」に該当するのでしょうか?

確かに、B社(及びA社)の具体的な商号を開示してしまえば、(それはそもそも、貸金業法違反に問われる可能性があるうえ)インサイダー情報に該当してしまう、というのも、頷けます。
ですが、今回質問したのは、

  • 主たる融資先であるB社の業種と、(※ちなみに、上場企業A社の業種については、質問していません)
  • おおざっぱな(=他の投資型クラウドファンディング事業者が当然開示しているような、都道府県ベース程度の)所在地です。

これがインサイダー情報に該当する、というのは、いささか、大仰に過ぎるのではないでしょうか?

上場している市場についても情報なし。

今回、私たち個人投資家の投資判断を大きく左右しうるのが、A社株式の価値、そして流動性です。
万が一、B社からの返済に遅延が生じ、B社が期限の利益を喪失するようなケースが発生し、かつ、B社の自主的な返済に頼ることが、どうにも難しそうだ、という判断が妥当となった場合、貸金営業者たるSAMURAI ASSET FINANCE株式会社は、速やかに担保権を行使し、A社株式の換価を図らねばなりません。
この際、値崩れを起こすことなく、速やかに、換価(A社株式の、市場での売却)ができるのであれば、本事業は、ある程度の安心感のあるファンドだ、と評価できるでしょう(※あくまでも、私見です)。
A社株式の時価は常に変動しうるのでしょうが、少なくとも10月4日の終値ベースでは、LTV(Loan to Value)は4割以下(貸付総額2億円/A社株式時価5億8000万円≒0.344…)なのですから。
ただし、上記の安心感を担保するためには、下記2つの条件が必携となります。

  1. A社株式が、十分な流動性を持つ市場に上場している株式であること。
  2. 5億8000万円程度のA社株式を、値崩れを起こすことなく、処分できる程度には、A社の時価総額が、大きいこと。

例えば、A社株式が、東京証券取引所第一部等、高い流動性と信頼性を持つ市場に上場しているのなら、第1点目は担保されます。
しかしこれが、見たことも、聞いたこともないような、某外国の市場に、便宜上ひっそりと上場している株式である、という場合、この点はいかがなりますでしょうか。

また、A社時価総額が、数兆円レベル、など、非常に大きく、たかだか数億円程度の株式を市場で売却したとしても、複数日に分けてこれをプロが処理する限り、大した値崩れを起こすことなく、換価・売却できる、という場合、第2点は担保されます。
ただし、これが、時価総額数十億円程度、という規模だったら、どうなるでしょうか。
あまり語られぬことかも知れませんが、時価総額が小さい企業の株式を、市場で換価していくのは、非常に大変なことです。
新興市場に上場を果たした企業の若き創業者が、創業者利得を得ようと、自身の持ち株を市場で売却しようとしても、結局、なかなかスムースに売却ができない、というのも、こうした事情によります(※もっとも、創業者が自社株式を手放す場合、事業継続へのモチベーション低下等も疑われますので、様々な困難性を伴います)。

これらの点を確認するため、SAMURAI証券株式会社に対し、重ねて、問い合わせをさせて頂いたのですが、少なくとも私が納得できるような回答は、お寄せ頂くことができませんでした。

「A社株式は、どこの市場に上場しているのか」との質問に対しては、「ファンド情報として掲載されている情報以外は、お答えできない」とのこと。
「それでは、せめて、日本国内の株式市場に上場している、と理解してよいか」との質問に対しても、同上の回答。
「ならば、流動性が著しく低い、某外国の市場に上場しているに過ぎない、という可能性も、否めぬ、ということでしょうか」との質問に対しても、同じく。

そこで、方向性を変えて、
「市場について一切回答いただけないのは、わかりました。それでは、少なくとも、A社の時価総額としては、時価5億8000万円程度のボリュームの株式を市場で比較的速やかに売却しても、さしたる値崩れを起こさぬ程度には、しっかりと大きい、と理解してよろしいでしょうか」
と、ご質問差し上げてみたのですが、こちらに対しても、
「ファンド情報として掲載されている情報以外は、お答えできない」とのご回答でした。

正直、いささか、残念でした(繰り返しますが、あくまでも個人的な体験であり、私見です)。

本記事執筆現在の資金応募状況は


引用元:https://samurai-crowd.com/item/detail/83

(もはや本ブログではおなじみですが)私の杞憂をよそに、資金の集まりは順調なようです。残り8日を残して、既に6割強の資金が集まっています。
やはり、単に私が、心配性なのでしょうか…。

まとめ

記事中には、私の個人的な見解が、多々、含まれておりますが、
あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからクラウドファンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、
小ブログの管理人として、嬉しい限りです。

なお、私は現在、国内23社のクラウドファンディング事業者に、資金を分散投資中であり、
本記事にて取り上げた業者のファンドにも、出資をしています。
そんな私が、国内23社中、厳選した3社のみ、「おすすめ事業者」としてご紹介しておりますのが、下記の別記事となります。
お時間ございましたら、ぜひご覧ください。

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それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。