クラウドリースにて、「決算!大感謝キャンペーン ローンファンド 1号 10ヶ月運用」のクラウドファンディングが公開されています。
本クラウドファンディングの概要
同社のホームページから確認した、本ファンドの概要としては、下記の通りです。
なお、案件1、及び案件2のうち、資金の大半を融資する「案件1」のほうに関してのみ、下記、詳説をさせて頂きます。
本クラウドファンディングの詳細情報ページのURL
こちらです。
↓
https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=2916
本クラウドファンディングのスキーム図
引用元:https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=2916
資金の借り手
クラウドリースにとっての直接的な債務者は、事業者Mです。
ただし、同社は、クラウドリースの関連会社であることが明記されていますから、実質的な債務者は、本事業の最終債務者たる、リサイクル事業者MC、と解釈するのが素直です。
貸付資金の総額
本ファンドによる貸付は、12,000,000円(1,200万円)とのこと。
ただし、複数の号数に分けて、合計では、総額1億1,999万円を融資する計画、とのこと。
借り手の資金使途
リサイクル事業者MCは、今回の資金を、仕入資金および運転資金に充てる、とのこと。
本クラウドファンディングの貸付・運用の期間
10ヶ月間の貸付・運用となります。
設定担保
時価にして1億5,877万円分の鉄スクラップに係り、担保設定が為される、とのこと。
返済原資
特段の明記が見当たりませんでした。
わたしたち個人投資家の期待利回り
12パーセント、とのこと。
本クラウドファンディングのポイント
私が考える、本ファンドのポイントは、下記の通りです。
なお、いずれも、私の個人的な見解です。
高利回り、及び1年弱の貸付期間は、至極魅力的。
12パーセントの想定利回りは、並み居る投資型クラウドファンディングの中でも、極めて高利回り、と言えます。
貸付期間が1年に満たぬ、という点も、個人的には好感しています。1年以上の貸付を想定するファンドと比し、時間リスクを比較的軽減できるためです。
本件動産担保には、注意を。
単純に考えると、1億5,877万円分の担保がついて、貸付は1億1,999万円ですから、LTV(Loan to Value)は75パーセントほど(1億1,999万円/1億5,877万円≒0.755…)です。
一見すると、LTV8割以下の、比較的安全性が高いファンド(かつ、利回りは高い!)、と思われるかもしれませんが、私の個人的な私見としては、もう少し、注意を要するように感じています。
鉄スクラップの値動き
本ファンド概要にも、下記の通り記載があります。
※ 鉄スクラップの評価額につきましては、時価変動により融資額を下回る場合がございますのでご了承下さい。
引用元:https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=2916
実際に、鉄スクラップの取引価格チャートを探してみたところ、株式会社産業新聞社のWEBメディアにおいて、チャートが掲載されていました。
引用元:https://www.japanmetal.com/memberwel/marketprice/soba_h2
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こちら、1トンあたりの鉄スクラップの値段(東京地域・月初値)を、1974年1月からグラフ化したものです。
引用元:https://www.japanmetal.com/memberwel/marketprice/soba_h2
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2018年9月の月初値としては、1トンあたり、27.5千円。2万7,500円ですね。
ただし、この鉄スクラップ相場。需給の状態によっては、大きく動きます。
たとえば、
引用元:https://www.japanmetal.com/memberwel/marketprice/soba_h2
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2008年7月には、1トンあたり6万2千円の値がついていたのに、
引用元:https://www.japanmetal.com/memberwel/marketprice/soba_h2
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わずか4か月後、2008年11月には、1トンあたり4,000円まで値下がりしています。
10分の1以下の価値にまで、暴落してしまったわけです。
※ちなみに、この時の暴落の契機は、2008年9月のリーマン・ショック以降の金融危機だった模様です。
さすがに、2008年の世界恐慌レベルの経済的事変は、そんなにしょっちゅう、起こるものでは、ないのでしょうが、
いざ、というときには、鉄スクラップ相場、いきなり(そして、かなり)動くのだ、ということを、忘れてはならないものと思います。
果たして、鉄スクラップ何トン分なのか。
※念のため申し上げますが、写真はイメージです。
ファンド概要を読み込む限り、今回動産担保として供される鉄スクラップが、「何トン分」なのか、情報が供されておりません。
そもそも論、となりますが、具体的なトン数が明記されていない限り、果たして、今回ファンド概要に記載されている時価(1億5,877万円)が、実相場に基づいた適切な時価なのか、どうか、すら、分かりません。
実勢相場データは、ネットで探せばいくらでも出てきますが、あくまでも情報は、「1トンあたりいくら(もしくは、1キログラムあたりいくら)」という情報です。
このため、本事業にて担保として供される鉄スクラップが、果たして「何トン分」なのか、の情報が提供されない以上、時価評価(本件では、担保評価をも意味します)が適当かどうか、わからないのです。
担保権はきちんと登記されるのか。先順位抵当権無、という理解でよいか。
この点についても、ファンド概要において、明記がありません。
クラウドリースとしては、悪気はないのだろうが…
それにしても、担保物に関する情報が、いささか、不足気味なように感じます(※あくまでも、私見です)。
これで投資判断せよ、と言われても、正直、難しいのではないでしょうか…?(※繰り返します。私見です)
本記事執筆現在の資金応募状況は
引用元:https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=2916
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そんな私の懸念をよそに、あっという間に、満額を達成してしまっています。
引用元:https://www.crowdlease.jp/fund/detail?fund_id=2916
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募集開始は3日の午後ですから、まだ2日ほどしか、たっていないのですが(本記事執筆時点)、やはり、ここまで高利回りだと、人気が集中するのでしょう。
何はともあれ、
私が心配し過ぎなだけなら、いいのですが。
まとめ
記事中には、私の個人的な見解が、多々、含まれておりますが、
あくまでも、その限りにおいて、
少しでも、「これからクラウドファンディング投資を始めてみよう」とお考えの読者様にとり、ご参考になさって頂ける内容と出来たのであれば、
小ブログの管理人として、嬉しい限りです。
なお、私は現在、国内23社のクラウドファンディング事業者に、資金を分散投資中であり、
本記事にて取り上げた業者のファンドにも、出資をしています。
そんな私が、国内23社中、厳選した3社のみ、「おすすめ事業者」としてご紹介しておりますのが、下記の別記事となります。
お時間ございましたら、ぜひご覧ください。
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それでは、本記事はここまで。
また次回の記事にて、お会い致しましょう。